広島県広島市に住んでいます。内装工事会社を経営している30歳です。仕事柄、賃収ビルの修繕をすることが多々あり、いつか自分がビルオーナーになれたらと思っておりましたが、具体的なことがわかりませんでした。そんなときに、藤山先生の本と出合いました。1年がかりで物件を吟味し先日やっと希望物件に出会うことができました。築9年、5000万、ビル1棟、利回り12%です。今の悩みは、この先購入していく物件についてです。個人所有か、法人所有かどちらがメリットがあるか教えてください。宜しくお願いいたします。
個人所有が有利なのかそれとも法人所有が有利なのかですね。
結論としては個人所有です。
まず、下記の法人と個人の概算税額早見表をご覧ください。
法人所得にかかる概算税額早見表
中小企業に対しては、法人税・法人住民税、法人事業税が課税されます。これら三税の合計額は概ね次表の税額となります。(留保金課税その他特殊項目はないものとします。)
課税所得 税率 課税所得 税率
500万円以下 31% 3000万円 42%
600万円 32% 3300万円 42%
700万円 32% 3600万円 42%
900万円 33% 3900万円 43%
1000万円 35% 4500万円 44%
1200万円 36% 5000万円 44%
1400万円 38% 6000万円 45%
1600万円 38% 7000万円 45%
1800万円 39% 8000万円 45%
2000万円 40% 9000万円 45%
2200万円 40% 1億円 45%
2400万円 41% 2億円 46%
2800万円 42% 3億円 46%
個人所得にかかる概算税額早見表(住民税均等割を除く)
個人の所得に対しては、所得税・個人住民税が課税されますが、これら二税の合計額は概ね次表の計算式で計算することができます。
課税所得(A) 税額速算式
○ 200万円以下 15%
200万円超 330万円以下 20%-10万円
330万円超 700万円以下 30%-43万円
700万円超 900万円以下 33%-64万円
900万円超 1800万円以下 43%-154万円
1800万円超 50%-280万円
(特別減税額を除く)
おわかりですか?
何がって、法人税の高さです。
今回、購入予定のビルの利回りは12%、価格は5000万円ですから、満室総家賃収入は、年間600万円です。しかしながら、金利や減価償却費そして、リフォーム費や広告宣伝費などの経費を差し引くと、不動産所得として計上されるのは、恐らく200万円前後でしょう。
では、200万円で税金は幾らかかるのでしょうか。
法人の場合は簡単ですよね。
公式は((税金=200万円×31%))ですから62万円になります。
一方、個人の場合は、あなたの年収が600万円と仮定して、現在の税額を求める公式は(税金=600万円×30%-43万円)ですから137万円
個人の場合はこれに不動産所得200万円が上乗せされるわけです。その際の税額を求める公式は(税金=800万円×33%-64万円)ですから200万円。
税金上乗せ金額は63万円になります。その差は1万円です。
つまり、法人化した方が税金は1万円得したように見えます。
ところが、個人所得の場合は、法人化する設立費用がかかりませんし、確定申告では、本人ででき税理士費用もかかりません。そして確定申告をすると、単式簿記で10万円、複式簿記で55万円の控除が認められています。目に見えない特典が沢山あるのです。
しかも、銀行から見ると固定収入があり、不労所得があるあなたは魅力的、信用が増します。
ところが、法人化した場合、接待費や経費などで所得を低減する方向に力が働き、税金の節税に躍起になることになるのです。結果としてプラスマイナスゼロ前後の決算を作成するのがオチ、年月を重ねても信用が増すことはありません。
大家さんの本分は信用です。経費を計上し節税するよりも税金も支払い、銀行に信用を構築することが、自立した大家さんになる近道と考えてください。