
1597年にシェイクスピアが書いた名作です。
主人公は、没落貴族の親友から豪商の娘と結婚するための費用を無心されたベニスの商人アントニオ。裕福でないアントニオは親友の願いをかなえるため、日頃「金貸しで儲ける非道な輩」と悪し様に罵っていたユダヤ人の金貸しシャイロックにお金を借りに行きます。
シャイロックは、顔をシカメながら、断りますが。アントニオは追いすがります。すると、(今回、利息は取らない。ただ、期限内に返済できない場合は、心臓の肉1ポンドを差し出すという条件で良いか)と尋ねます。アントニオは喜ぶ親友の顔を想像し、1も2も無く契約書にサイン。ところが、事態は最悪の結果に…。
親友からの返済はなく、かといって代理返済できず、アントニオは逮捕され裁判にかけられます。
双方の言い分を聞いた裁判長はシャイロックに慈悲を求めますが、シャイロックは拒否。一方、アントニオの弁護士は(契約書に基づき、被告の心臓の肉1ポンドは差し上げる。但し、契約書に書かれている担保は1ポンドの肉であり、それ以上でも以下でもない。多い場合も少ない場合も血が流れても契約違反だ!)
と、詭弁を堂々と展開。ユダヤ人の金貸しの無慈悲な仕打ちを苦々しく思っていた裁判長もこれに同調し、シャイロックの全財産を没収する決定をくだしました。俄然優位に立ったアントニオは和解案を提示。シャイロックの半分の財産は娘に相続することを許し、借金は棒引き。没落貴族の親友も豪商の娘と結婚できて、めでたく大団円を迎えるわけです。

なにがって、こんな都合の良いストーリーが受け入れられている理由です。

返済をしない不良債務者が勝者で、被害を受けた金貸しが敗者。債務者のアントニオは最後に慈悲をかけ、シャイロックは全財産の半分を失いユダヤ教からキリスト教に改宗させられたのに感謝をするのですから、おとぎ話です。お金を払い演劇を見に来る大衆は、そうした有り得ないストーリーに酔いしれ、日頃のウサを晴らし続けたのです。
物事を正確に判断するには、理由を見極めなければなりません。

不動産を担保に差し出し返済をしなければ、抵当権を実行され、競売にかけられるのです。そして、競売の売却代金で残余債務を帳消しに出来なければ、更なる追い込みが待っています。
一昔前、そう、ベニスの商人が書かれた頃、借金返済のできない人々は有罪、刑に服さなければ成りませんでした。市民権を剥奪され、長い重労働につかなければならなかったのです。現在は、自己破産という借金帳消しの制度がありますが、その後の経済活動に支障をきたすのは一緒。

では、現在において、シャイロックのような悪徳金融業者とは誰でしょう。そう、闇金ですね。法律の外で蠢く彼らからお金を借りると、返済することも困難。短期間に返済されては、超高額の金利を巻き上げることができない為、返済に難色を示すのです。そして、お次の危ない輩はサラ金などの消費者金融。彼らも闇金と同様、声を聞くのも目にもしたくない存在です。
ですが、待ってください。それだけでしょうか。闇金とサラ金と付き合わなければ、シャイロックのような強欲な金貸しと縁が切れるのでしょうか。金融界のサバンナに巣食うのは、チーターやライオンなどの大型肉食獣だけではありません。ハイエナやハゲワシのように、一見危なくなさそうなのに、弱った草食動物を狙う輩が暗躍しています。
例えば、カードローン会社。カードがあればショッピングに現金を必要としない為、我が国でも爆発的に普及しましたが、カードローンの金利はサラ金と似たり寄ったり。その存在は音もなく忍び寄る毒蛇やサソリに似ています。
そして、大家さんを目指す皆さんが注意しなければならないのは、多額の融資をしてくれる不動産屋と結託した金融機関。投資用不動産を購入する際は有り難い存在でしょうが、購入した不動産のキャッシュフローが弱々しければ、途端に皆さんの人生を破滅に追い込むバッファーローの暴走に巻き込まれます。
そして、大空から、運転資金に困った草食動物を狙うハゲワシが金融ブローカー。彼らは融資先を紹介するとまことしやかに持ちかけ、融資金額の5%を掠め取り債務者を死にいざないます。
忘れないでください。

そして金貸しは、担保(人的担保・物的担保)もしくは金利でリスクヘッジしています。担保がなければ高金利が待っています。融資金額に匹敵する担保が低ければ信用が低下。この当たり前の事実を忘れてはなりません。シャイロックはあなたの身近で身を潜めているのです。

私達は大家さんを目指す方々の力強い道しるべでありたいと思っております。なぜなら、もうこれ以上、私個人が貸家を増やす必要がないからです。私の大切な家族を養うには十二分な財務基盤を確立できたからなのです。
私の熱い思いと私の弟子達が実践している手法のポイントを可能な限り分かりやすくお伝えします。お楽しみになさってください。